2024年与党税制改正大綱が発表されました。

内容は、実施時期がずっと先や、時期未定のものが多いですね。2024年に関係するものについて紹介してみます。

定額減税(所得税3万円、住民税1万円)

会社(給与計算担当者)は、事務負担が大変になりそうです。

本人・同一生計配偶者(給与収入103万円以下)・日本にいる扶養親族1人あたり3万円税金が安くなり、住民税は1万円安くした額を、通常の12回と異なり、11回にわたって特別徴収する制度です。

ふつうの給与の額では、ひと月に3万~10数万も源泉徴収されていませんので、何度かに分けて減税を行うことになります。そのため、人ごとの定額減税額の残高(あといくら源泉徴収税額を減らすことができるのか)の管理が必要です……。

所得制限について

一方、給与収入2,000万円超の人は、減税を受けられません。

「給与収入2,000万円超」という基準は、年末調整ができない勤め人と同じ基準です。この基準は、定額減税と年末調整でしか使いません。

他の減税制度の所得制限でも2,000万円超というのが出てきますが、これは、合計所得金額であり、給与収入とは異なります。

※給与収入が2,000万円超でも、そこから195万円を引いた金額が2,000万円以下なら、他の減税制度は受けられることになります(給与のみの場合)

給与収入2,000万円以下見込みなので定額減税を行ったのに、年末に実際の給与収入が2,000万円超になったら、年末調整で減税をなかったことにします。

年初では配偶者や扶養親族がいたので、その人の分も定額減税したのに、年末ではいなくなっていたら、年末調整で減税をなかったことにします。

本当に、6月に払うお給料からやるべきかどうか

うーん……会社は、従業員と話しあって、「定額減税は年末調整と同時に行っていいですか?」でOKをもらって、年末調整でまとめてやったらどうでしょうか……。

もし、納得しない従業員の方がいたら、6月中に減税予定額を貸してあげるとか……。

また、給与明細に、定額減税による今回の控除額を記載せよとのことです。

さらに、2024年分の源泉徴収票・給与支払報告書にも、特別減税額を記載する必要があります。

あまりに給与計算担当者が大変になりそうなので、法律になるときに、大綱のとおりのままかは、不透明です。

住宅ローン減税(2024年1月入居から)

2024年入居から、対象となる住宅ローン残高の上限が5,000万円から4,500万円に下がるなど、増税になるのですが、夫婦どちらかが39歳以下か、18歳以下の子どもがいれば、上限が2023年入居と同じ(増税なし)になります。

所得制限(合計所得金額)2000万円があるので、要注意です。

子育てリフォーム費用の減税(2024年4月入居から)

子育てのためのリフォーム工事をしたら、工事費用(50万円超250万円以下)の10%、税金が安くなります。工事費用10%ポイント還元ですね。

以前、高齢者向け住宅リフォーム費用(バリアフリー)の減税がありましたが、その子育て版です。

子どもの事故防止工事、対面式キッチン交換工事、防犯工事、収納増設工事、防音工事、一定の間取り変更工事が対象です。

これも所得制限(合計所得金額)2000万円があるので、注意です。

なんで2024年4月入居からなのか?

それは、2024年3月申請期限で、「こどもみらい住宅支援事業」という、似た趣旨の補助金があったからですね。

これは、予算上限に達して、期限を前にして事業は終わっています。

補助金がなくなり、減税に変わるということです。

2024年には影響がないこと

生命保険料控除が増えるとか(すでに12万円の上限に達している人には、影響なし)、高校生の扶養控除が減少するとか、加熱式たばこが増税(防衛増税)されるとか、いろいろなニュースが出ていると思います。

これらは、2024年の税金には影響しません。

ごっちゃにして、あせって行動されないように、気をつけていただければと思います。

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